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「読書の技法」:佐藤 優 - 読書の道しるべ

 

読書は、人生を豊かにしてくれるもの。

しかし、たとえ同じ時間をかけたとしても、目に付いた本を手当たり次第に読むのと自分の現状を考えながら読書していくのとでは、得るものに大きな違いが生まれます。

佐藤優さんは、本書「読書の技法」の中で、読書について次のように書いています。

 

知識を着実に身につけ、人生を豊かにするためには、正しい道に沿って読書をすることが重要だ。

 

この本は、そんな読書の道しるべを書いた本でした。

 

 

速読だけでいいのか

 

では、正しい道に沿って読書する、とはどういうことなのでしょうか。

 

過去、僕が読んだことのある速読の本では、重要なことはどの本にも書いてあるので、スピードを上げてたくさんの本を読めば、何が重要か自然とわかるようになる、という説明がされていました。とにかくたくさんの本を読みましょう、と。

たしかに、そういう面もあるでしょう。しかし、スピードを上げて本を読む場合、どうしても重要そうな部分を選んで読み、それ以外は読み流すことになります。そんなとき、次のような疑問が湧いてくることがありました。

 

その重要そうな部分は、本当に重要な部分なのか。

重要そうな部分は、自分が考えている内容で合っているのか

 

この疑問は、とにかくたくさんの本を速読することへの疑問に繋がっていきました。

 

基礎知識があるからこそ

 

これに対して、本書では、基礎知識の重要性を強調します。まずは、基礎知識をつけることで、難しい本を読みこなすことができるようになったり、大量の本を短い時間で読むこともできるようになると言うのです。

 

基礎知識があるからこそ、該当分野の本を大量に読みこなすことができる。

 

これは、学校の勉強を想像すれば、当たり前のことです。例えば、掛け算ができないのに、割り算がわかるはずがありません。また、わからない単語だらけの英文を読むのは、とても時間がかかりますし、誤読する可能性も高くなります。

 

知識のない分野については、まずは、基礎知識をしっかりとつけなければなりません。

 

精読も必要

 

本書では、本の読み方を3つ挙げています。

  • 精読
  • 超速読
  • 速読

佐藤さんは、基本書は最低3回読むと言います。1回目は、線を引きながらの通読。2回目は、ノートに重要個所を抜き書きしながら。3回目は、もう一度通読です。

 

すべての本を精読することは、非効率的なことです。しかし、すべての本を速読で片付けてしまうことも危険なことなのです。

 

速読では、間違った知識を付けてしまう可能性があるからこそ、佐藤さんは、読書方法の中に精読を取り入れているのだと思います。

 

正しい道に沿って

 

重要なのは、自分の知識がどれぐらいなのかをしっかりと自覚すること。その上で、自分の知識段階に合った本を、自分に合った読み方で読むことなのだと、改めて認識させてくれた本でした。

 

 

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